ピロリ菌

迅速ウレアーゼ試験

迅速ウレアーゼ試験とは、検査薬を用いて、アンモニアによる胃酸の中和状態を確認する方法です。
短時間で検査できるメリットがあります。しかし、検査薬の色調変化等に差が出てしまう可能性もあります。
そのため、血液検査等も併せて検査することが推奨されています。

検鏡法（病理検査）

胃カメラを用いて採った組織に、特殊な染色を行います。それらの組織を顕微鏡で確認していきます。

抗体検査法（血液検査、尿検査）

抗体検査では、ピロリ菌感染後の抗体の有無を確認します。これは、身体的な負担がかからないメリットがあります。
しかし、過去にピロリ菌を感染していると、陽性判定されるデメリットもあります。

尿素呼気試験

ピロリ菌は、アンモニアを作り出すタイミングで、二酸化炭素も生成します。
二酸化炭素は、身体に吸収され、肺から吐く息に混ざり排出される性質があります。
大気中には12Cが最も多く含まれており、次に13Cです。
尿素呼気試験は、特殊な尿素の検査薬を服用します。服用の前後で吐く息に含んだ13Cの量の変化を確認する検査です。
尿素呼気試験を受ける際には、プロトンポンプ阻害薬等の服用制限や食事制限を行う必要があります。
健康保険制度の都合上、別の日に胃カメラ検査を受けていただきます。

糞便中抗原検査

糞便中抗原検査では、検便により便の中のピロリ菌抗原の有無を確認します。
ピロリ菌を感染していた際には、検査薬が酵素反応により発色します。
しっかりと除菌ができているかを判断するために使用される検査です。

ピロリ菌の除菌キットは、2種類の抗菌薬とプロトンポンプ阻害薬がセットになっています。
これらを1日2回、1週間服用しましょう。副作用は、蕁麻疹や肝機能症状、味覚障害、下痢、アナフィラキシー等があります。
体に異変がありましたら、速やかに消化器内科を受診しましょう。
また、除菌治療を行っている際には、お酒やタバコを控え、規則正しい生活を送ることを心がけましょう。

除菌ができているかを確認する検査を行えるのは、一次除菌後8週間以降です。尿素呼気試験や糞便中抗原検査を行い、除菌の有無を判断します。

一次除菌ができなかった際には、健康保険適用による二次除菌治療を行います。
一次除菌ができなかった原因は、クラリスロマイシンへの耐性菌があるためといわれています。
そのため、メトロニダゾールに変更します。一次除菌と同じ方法で服用していただきます。

二次除菌を行ってから2ヶ月以後に、除菌ができているかを確認します。尿素呼気試験や糞便中抗原検査を行い、除菌の有無を判断します。
二次除菌を行っても、除菌ができていない場合には、健康保険適用外で三次除菌を行っていきます。